FITSATは10センチ四方の超小型衛星で、地上から400キロ上空の軌道を一日に約16回の速さでぐるぐる回っています。FITSATは軌道の性質上、北緯51度から南緯51度まで地球上の多くの国の上空を通過することができるのです。もちろん日本上空も通過します。
上面に設置されている約50個のLEDを緑色に輝かせ、各国の上空から光のメッセージ(モールス発光)を届けることができるのか…。これが、今回挑戦するLED発光実験の目標です。
FITSATの明るさは7~8等級と予想されています。観測条件がよければもう少し明るく6等級で見えるかもしれませんが、人間が目で確認できる明るさは6等級、いずれにしても肉眼で容易に確認できるものではなさそうです。
上の写真のように、われわれが気軽に夜空を見上げてFITSATの光を見つけるということは現実的には難しそうです。双眼鏡を使ったり、カメラで撮影するなど、暗い天体をとらえることができる道具を使ってFITSATを観測することになります。
FITSATはバッテリーの都合上、常に輝いてはいません。日本上空を通過するタイミングを見計らって、地上からの指令で発光する仕組みになっています。発光時間は約2分間。発光時間の情報は福岡工業大学の公式ページで発表されるので頻繁にチェックするようにしてください。
しかし、FITSATがどの方向に見えるか?つまり双眼鏡やカメラを夜空のどの方向に向けるべきかという情報は、個々の観測場所によって異なるため、誰も教えてくれません。観測者自身が人工衛星の軌道計算ソフトなどを使って調べる必要があります。計算方法などについては「FITSATの軌道を計算し、見える時間や方角を調べる」をご参照ください。