FITSATは空の暗いところに行くと、双眼鏡でも見える可能性があります。以下のポイントを押さえて、FITSATからの信号を自分の目で「受信」してみましょう!
ポイント1 双眼鏡が必要
FITSATの明るさは8等級程度と予想されています。空の暗いところでも目で見える最も暗い星で6等級ですから、FITSATはそれよりも2等、つまりおおよそ6.3倍暗いのです。口径2cm(先端のレンズの大きさが2
cm)以上ある双眼鏡を使えば、この暗さでも見ることができるかもしれません。なお、倍率はあまり高くない(7倍程度)、広い範囲が見えるものがお勧めです。
ひょっとしたら、実際はもっと明るく見える可能性もあります。実際の明るさは観測の報告が入りしだい、このウェブサイトで随時紹介する予定です。
ポイント2 用意しておくとよいもの
時計はできれば秒単位まで正確に合わせておきましょう。懐中電灯は明かセロファンなどを巻いて、ほんのりとした明るさで照らせるようにしておくと、暗闇で目がくらまず便利です。
このほか、双眼鏡をFITSATが星空の中を移動していく正確な位置を確認するためにも、事前に星座早見盤や星図を使いこなせるようにしておくと、実際の観測の際に大きな力を発揮します。
ポイント3 空の暗いところで見る
町明かりや月明かりがあると暗い星が見えなくなるように、FITSATも見づらくなります。できれば夜空が暗く、天の川が見えるぐらい星がよく見える場所に出かけて観測しましょう。
ポイント4 晴れた日に見る
曇っていると当然ながら見えません。また薄曇りでも見える可能性は低くなります。
ポイント5 見える方向と時間をしっかりと調べておく
上記のページを参考に、手順に従って、皆さんの観測地からの見える方向と時間を調べます。その時間の10分前にはその方向に双眼鏡を向けておき、通過する様子を待ちます。
発光するFITSATは数分かけて夜空を横切っていくのですが、ポイント7にあるように双眼鏡を手で持って、FITSATを追いかけるように探す方法はお薦めできません。FITSATが暗すぎてうまく見つけられない可能性が高いです。
ポイント6 基本は「まちぶせ作戦」
FITSATが夜空をどのような経路で移動していくか詳しく調べたら、その経路の途中に見つけやすく目印にできそうな星の並びがないか探してみましょう。FITSATの観測は「ここを必ず通る」という場所に双眼鏡を向けてFITSATが通過するのを待つ「まちぶせ作戦」が有効です。
画像は、FITSATが発光する時間帯に「こいぬ座」付近を通過することが分かったので、一等星プロキオンを出発点に小さな三角形を目印に定めてみた例です。実際の観測では、この星空の位置を正確に双眼鏡で導入して、FITSATが通過するのを待てばいいわけです。
FITSATは移動していくので、双眼鏡の視野(見えている範囲)をわずか7秒ほどで通過していくことも分かります。
ポイント7 双眼鏡は三脚で固定、また正確に目標に向ける練習を
双眼鏡の視野を横切る時間は数秒しかありません。手持ちではブレてしまってFITSATを認識するのは難しいため、三脚に固定して見る必要があります。また見える方向を間違ってしまうと当然確認できないので、ポイント5で調べた位置へ双眼鏡を確実に向ける必要があります。
こうした作業を確実にこなしていくためにも、星座早見盤や星図を使いこなせることはとても重要です。星座の星の並びをしっかりと見て、その方向に向ける練習をしておきましょう。
ポイント8 あきらめない
見えなくても、土壇場で曇っても、あきらめずに次の発光チャンスにチャレンジしましょう!